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天候の回復を待ってダン・デュ・ジュアンというモンブラン山群イタリア側の山に登らして貰いました 相変わらず人任せなので・・どんな山なのかも知らず着いていきましたが、トリノ小屋から見える その奇形な尖り山は面白く、「あそこの頂上に人が立てるんだ~」と驚きました。 (イタリア語では「巨人の歯」の意味らしい) トリノ小屋はイタリアのクールマユールとフランスのシャモニーを結ぶ空中アルペンルート (ゴンドラやロープーウェイを乗り継いで渡れます)のイタリアサイドの駅にあります。 小屋へ通路用扉には「この先は自己責任・山への敬意と装備を持ちうるモノだけがこの扉を開ける権利がある」と書かれてあります 中嶋の装備は・・相変わらずいたって怪しい・・・(ハイキングシューズだし・・)でも優秀なガイド2名持参だから(笑) いつもは大人気のこの山(らしい)なのですが、天気予報が今ひとつだったのと平日だったので この日に入ったパーティは私達とあと2パーティのみ(1パーティは多分引き返した) 天気はそう悪くなかったのだが一昨日の雨と昨晩の雪でルートが捜しにくいし岩は氷っていた。 そんな理由で途中ルートを間違えてしまったらしく、アイスクライミングみたいになりながらザイルを出して登って行きました。 でも結構これが面白かった(笑) 段々その尖峰・ジュアンに近づいてると何だか小さくボルダリングの岩のように見えてきた 「あれだっけ?なんかチンケだね・・ドンデジュアンだっけ?デンドジュアンだっけ?ドウデモイイジャン?じゃだめ?」と 登る山の名前さえ覚えられない中嶋に罰が降ったのか もっと近づいて取り付きの方に回り込んで見たときには畏敬を放ってそれはそびえる立っていた! しかも取り付き1ピッチ目はしっかりした残地ロープも無く、難しくバランシーなムーブを強いられる たぶん「これが登れないなら此処で引き返しなさい」って神の警告なんだろうなぁ・・と後で思いました 岩が氷っていたので先頭のツヴェートは(この時はアイゼン無し)とっても苦労をしてたんだけど 待つ私達は寒さに震えながら「何やってるんだろう・・」って思ってました。 自分が登ってみてその難しさに納得。よくこんなのリードできたなぁ・・。 凍って無ければ良いだろうけど、スラブが凍ってるので足の置き場が無い! わずかなホールドを雪をかき分け捜すのでグローブをしていても手は悴んでしまい凍傷になるかと思った。 1ピッチ終了で「私の能力ではこれ以上無理!」とツヴェートに訴えました。 でもそこからはしっかりした残地ロープも見えていたし、3-4級程度の登りの様に見えたので気を取り直して この日先頭を行くツヴェートはアイゼンを頂上まで着けることにして継続を決定。それからは寒さと腕力との戦い! 長いスラブには「雲の糸」を思わせるような白いロープが続き頂上まで私達を誘ってくれてますが 「もうワンピッチかなぁ・・」と思うと次のピッチが続いてる、まるで試されてるようでした。 やっと何処かに出たときには隣のピークに(そこが頂上)マリア像。感動的! でも懸垂支点が見つからない!聞いた話では「裏にリング付きがある」らしいけど・・ 業を煮やしツヴェートが若い晋さんに「僕はもうユマーリングするパワー無いから、見てきて」とオーダー 可哀想な晋さんは結局50㍍近く登り返すことになりました・・ その後一緒に迷っていたチェコ人が往路を引き返す途中で支点を発見して懸垂で下降 大幅に時間をロストしたのでこの日のロープーウェイに間に合わずトリノ小屋に連泊となりました。 計12時間の山行となったけど(道迷いもあるけど・・私の下山に時間が掛かるので) 凄く楽しく充実感のある登攀でした。山としても本当に神々しい素敵な山でした。 しかも前後で二人のガイドさんに守られて「お姫様」状態で贅沢!晋さん&ツヴェートさんに感謝 翌日疲れ果てた中嶋は下山、二人のは荷物を解かれた馬車馬の様にツアロンデ(トリノ小屋ベースの他の山)に行きました やっぱ私が居ないせいか、土曜の晴れで道も明快のせいか2時にはクールマユールに下山してきました(苦笑) |