天気が安定しない中、今日だけが良いかも・・と言うことで
義弟のドゥーシャンと以前ツヴェートの50才誕生日で日本に来たこともある
ボスティアン(ルスと呼ばれてました)に誘って貰い
スロベニアとイタリアの国境にあるフェラータに連れて行って貰いました
思えば数年前にもこのトリオでグロスグロックナーのバリエーションルートに行った
ガイド山行になれてる私は確保されてない登攀にちょっとびびりましたっけ(苦笑)

これからマッターホルンに行くのに何もトレーニングをしていないので
ツヴェートも心配していたみたいで彼が頼んだのかもしれませんが
前日の夜10時にメッセージ「明日フェラータに行くから5時30に向かえに来るらしい」といきなり言われ
折角買った新しいフェラータセットやレインギヤまでも車のツヴェートに託してしまったので
ボロボロの格好でなんとか間に合わせました

朝向かえに来てくれた二人に
「で、何処行くの?」と聞くと「この本の中で一番難しいフェラータ」
「ゲッ・・」
見れば標高差1400mの登り・・
アプローチ800m、フェラータ600mの標高差+登ったり降りたりの岩稜歩き
難しいのは良いけど何時もアプローチ核心の私がこの強い二人について行けるのか・・不安
「行ったことあるの?」と聞けば「二人ともあるよ」と
ちょっとこの二人自分たちの体力に任せて無謀なところがあるので
「誰かロープは持ってるの?」と確認して7時にスタート

その割に分岐に来る度に「アーでも無いコーでも無い」と
私には解らないが二人がスロベニア語で話してる
車には地図あったので「地図は?」と聞けば「車」と
大丈夫かいなこの二人・・不安
結局車道をグルグルと回って取り付きへ到着(9:15)
そそり立つ壁、ちょっと濡れてる・・
天気も未だ良くなくガスに大半の壁が隠れてる

あとで他の人の記録も見たけどこのルートの難しさはこの出だしらしい。
確かに難しかった。背が低いからかなぁ・・
足がかり手がかりのないチムニでボディジャムで私は登りました(笑)
そこからのトラバースもスリリング感たっぷり
そのトラバースのどん詰まりに垂直の壁。
どうなってるの~って感じですが
ちゃんとワイヤー&チェーンがありました。
でもその取り付きの手前にはワイヤーが無いのがスロベニアのフェラータです
跡はひたすら登り、ワイヤーが無くなると3人でマークを探してウロウロと・・
ルート紹介の本のコピーとかこの人達は持つ習慣が無いらしい(笑)

大体が取り付きでドゥーシャンが私に「手袋持ってきたよね?」というので
薄手だけど一応」と答えながら何故今聞く?と思いましたが
本人は忘れたらしくかなり寒かったらしい
途中の避難小屋(11:00-11:30)
で見つけた誰かの靴下を手につけてました(笑)
(多分私に合わせてゆっくり登るからかも)
頂上というかいくつかのピークの一つVevnicaについたのが12:00
この稜線葉スロベニアとイタリアの国境線でも有り
2国をまたがって歩くのが気持ちいい(何が気持ちいいか解らないが・・)

そこからまた登ったり下ったり、ルートを探したりで移動
この頃には視界も開けてきて青空も見え快適な岩稜歩き
Strugというピークを抜けて進む
最終の尾根のPONCAまで行きたい気持ちもあったけど
時間のせいなのか行ったこと無いとこを降りたかったのか
地図にない(後で家に帰ってから確認)所をダイレクトに下降することに

この下降が凄かった・・
上の方に注意書きがあり聞けば
「この先はアルピニストルートロープを持たないモノは引き返すように」との事
「この先って書いてあると言うことは此処からは下は簡単って事だよね?」と聞けば
「多分ね・・でもスパゲッティ・イタリア人の注意書きだから」と言っていたが
此処から下が大変だった
キット下山者に対する注意書きを
マカロニ・スロベニア人は間違って解釈したんだと思う(笑)
既に私達の登山形態はフェラータでは無くアルパイン
ワイヤーはほとんど無くあるのは確保支点のみ

さすがに二人も「ロープを使おう」という事になり
4ピッチくらいは確保して降りました
たぶん二人だけだったら行っちゃうのかもしれないが
私が入る事で慎重になるなら
私みたいな人が何時もいた方がイイのでは?と思っちゃいました
崖が終わってからも急な雪上歩行(歩行じゃ無くて半滑落)
急な砂利道の走り降り・・と
とってもワイルド~

帰りは崖と雪&砂走り終了後(15:30)
ハイキング道を発見できてストレートに駐車場へ(16:40終了)
終わっていればと~っても楽しかったけど
スリルありすぎなルートだったかも
次回はちゃんと地図上のフェラータに行きたいな